時間を逆転させる革新的な時計デザイン:リバース

ベルギーのデザイナー、マティス・ボーツが挑む、時計の新たな可能性

時間は絶えず流れていくが、時計のデザインはほとんど変わらない。そんな疑問から生まれたのが、ミニマリストでありながらも独特な時計「リバース」だ。その名の通り、従来の時計デザインを逆転させ、新たな視点で時間を捉える。

リバースは、時計の針の動きを逆転させた革新的なデザインである。外側の短い針が時間を、中央の長い針が分を指す。一見シンプルだが、その違和感が新たな視覚体験を提供する。

この時計は、クォーツ時計メカニズムによって2つの針が動かされる。分針は内側の軸で、時間を示す外側の針は2つの見えないリングによって形成されたベアリングによって動かされる。このメカニズムと内部の歯車の組み合わせにより、外側のリングと時間針が回転する一方で、外側のリングが静止しているように見える。

リバースのサイズは直径420mm、厚さ30mm。家具やインテリアアクセサリーとしても違和感なく溶け込むサイズ感だ。

この時計は、2016年3月にベルギーのハッセルトでデザインされ、完成した。その後、2018年5月にYanko DesignやGoooodなどで公開され、多くの注目を集めた。

リバースのデザインは、時計が視覚的に魅力的でありながらも他とは異なるものであることを目指した個人的な実験から生まれた。この異例の視点から、時計がどのようになり得るかについての新たな洞察が生まれた。

オリジナルで興味深く、かつ異なる時計デザインを考え出すことは困難だった。最初は、時計が容易に認識できるように、ほとんどの時計が作られる基本的な形状、円筒から出発した。そして、円筒形状のベース以外の時計の要素をすべて取り除き、時計がどのようになり得るかを想像し始めた。その結果、ほとんど同じに見えながらも全く異なる、ユニークなデザインが生まれた。

リバースは、2019年にA' Furniture Design Awardのゴールデン賞を受賞した。この賞は、デザイナーの才能と知恵を反映した素晴らしい、優れた、トレンドセッティングな作品に授与される。それらは、芸術、科学、デザイン、技術を推進し、その特異性で世界に大きな影響を与える。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Mattice Boets
画像クレジット: Mattice Boets
プロジェクトチームのメンバー: Mattice Boets
プロジェクト名: Reverse
プロジェクトのクライアント: Mattice Boets


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